肩こりとは
肩こりの症状には、首から肩、背中にかけの痛み、ハリ、動かしにくさなどがあり、症状が強くなると頭痛や目の痛み、吐き気などを生じることもあります。
首・肩・背中には、重い頭を支えて動かし、腕を自在に動かすための様々な筋肉があり、肩こりを起こす原因も多岐に渡りますが、首や肩、背中に欠けて大きく広がっている僧帽筋やその下層にある肩甲挙筋の筋・筋膜より生じるケースが多くなっています。
肩こりの原因
デスクワークなどで同じ姿勢を長時間続けていると、その姿勢を保つための筋肉が緊張し続け、それによって痛みやハリ、動かしにくさと言った肩こりの症状を起こします。猫背などで姿勢が悪いと特定の筋肉に大きな負担がかかり、肩こりを生じやすくなります。
冷房による冷え、鞄などをいつも同じ肩にかけるなど日常的な癖、運動不足、ストレスなど、他にも肩こりの要因は日常に溢れています。
ただし、頸椎疾患などが原因で肩こり様の症状を生じている可能性もあり、その場合には速やかな治療が必要です。また、原因疾患がない場合でも慢性的な肩こりがあると日常生活に支障が生じ、生活の質が低下してしまいます。肩こりが続く場合はお気軽にご相談ください。
肩こりの診断
症状が起こりはじめた時期、症状の内容や変化、悪化するきっかけ、基礎疾患や処方されている薬などについて医師が丁寧に伺います。
僧帽筋の圧痛や筋緊張の状態を確認し、肩関節の可動域を確かめ、頚椎疾患がないかをチェックします。痛みが起こる位置などを調べる必要がありますが、できるだけ痛みが少ないよう配慮して診察しています。筋肉の硬さや神経との癒着を調べるのに超音波(エコー)検査も有用です。
適切な治療をできるだけ早く行う必要がある疾患が疑われる場合には、X線検査、MRI検査、血圧測定などの検査を行うこともあります。
※MRIによる診断が必要な場合は適切な医療機関をご紹介いたします。
肩こりの予防と治療
慢性的な肩こりの再発予防
- デスクワークなど同じ姿勢を長時間続ける場合は、一定の頻度でストレッチなどを行う
- 軽い有酸素運動を継続して行う習慣を付ける
- 首・肩・背中・腕を冷やさないよう心がける
- 肩を温めて血行を改善させる
- 夏でもできれば毎日バスタブに浸かり、身体の芯まで温める
肩こりの治療
原因疾患があればその治療を行いますが、痛みなどの症状緩和も同時に行っていきます。
原因疾患がない慢性的な肩こりの場合には患者様の状態にきめ細かく合わせて、薬物療法、筋肉の血流を改善するマッサージやストレッチ、筋力と柔軟性のアップなどを図る運動療法、温熱療法、超音波ガイド下ハイドロリリースなどを適切に組み合わせた治療を行っています。
薬物療法には消炎鎮痛薬(内服・外用)、筋弛緩薬、局所注射(超音波ガイド下ハイドロリリース)などがあり、症状や経過に合わせた処方を行っています。
僧帽筋と肩甲挙筋の間にある筋膜の固さ、あるいは副神経などとの癒着は肩こりの原因になりやすいといわれおり、局所麻酔剤を生理食塩水で薄めた注射を超音波ガイド下に行うことにより肩こりの症状緩和を期待できます。
また、血行改善に効果的なストレッチ、温熱療法であるホットタオルや入浴のポイント、日常の動作や習慣で気を付けることなど、ご自宅でできる有効なセルフケアの方法も具体的にわかりやすくお伝えしています。肩こりのお悩みがありましたら当院までご相談ください。