指の第一関節の痛み(ヘバーデン結節)

ヘバーデン結節の症状

変形、腫れ、痛み、屈曲といった症状を第一関節(DIP関節)に起こします。水ぶくれに似た粘液嚢腫(ミューカスシスト)が関節の甲側にできることもあります。
進行すると関節が曲がりにくくなって痛みを伴うことから、繊細な作業やものをつかむなどの動作ができなくなり日常生活に支障を生じます。

ヘバーデン結節の原因

へバーデン結節の原因は、ブシャール結節と同様はっきりと解明されていません。
ただ、手の使いすぎ、遺伝、更年期障害によるホルモンバランスの乱れなどとの関わりが指摘されています。へバーデン結節にかかった近親者をお持ちの方は、体質が似ていることも考慮して、注意しておく必要があります。

ヘバーデン結節の診断・治療

問診、触診、レントゲン撮影などを行います。へバーデン結節と似た症状を持つ病気に関節リウマチが挙げられますが、レントゲン検査や血液検査を行うことにより正確に鑑別することができます。
症状が軽い場合は薬物療法・テーピングによる固定などの保存的療法を行い、痛みが強い場合には関節内注射を行うこともあります。日常に支障を生じている場合には、関節固定術や結節を切除する関節形成術、人工関節置換術といった手術療法を検討します。

関節リウマチとは

手のこわばりや関節痛を起こして、進行すると変形などを生じて日常生活に支障を及ぼす自己免疫疾患です。関節以外の内臓病変や血管炎を生じるケースもあります。
関節リウマチは女性に多い疾患ですが、現在は男性の発症も増加傾向にあり、日本には約100万人以上の患者様がいるとされています。原因はまだはっきりわかってはいませんが、遺伝の関与は15～35％とされていて、ストレスをはじめとした様々な環境要因も発症に大きく影響していると考えられています。
症状を進行させないためには、早期発見と治療が最も重要です。朝、手がこわばるという初期症状がある場合は、お早めに当院までご相談ください。

関節リウマチの症状

手のこわばりは早期に現れやすい症状です。朝、手がうまく握れず、数時間で改善するといった症状が続く場合には速やかに受診してください。進行すると関節痛を生じるようになり、さらに進行すると関節の変形などを起こして関節の機能が低下し、日常生活に大きな支障を及ぼします。
また、手だけでなく、上肢や下肢の様々な関節に症状が現れることがあり、関節以外にも全身倦怠感、貧血、リンパ節の腫れ。血管炎、目や内臓の病変などを生じることもあります。

ヘバーデン結節との症状の違い

関節リウマチは、早期に手のこわばりという症状を起こすことが多く、朝に手がこわばって数時間で解消する場合は関節リウマチが疑われます。また関節リウマチは第二関節に症状が生じることが多いですが、ヘバーデン結節は第一関節に症状を起こします。
さらに、ヘバーデン結節は足指関節にも症状を起こすことがありますが、関節リウマチは手足に加え、上肢や下肢の様々な関節に症状を起こすことがあります。関節リウマチでは、痛みの移動や左右対称に症状が起こるなど特徴的な症状を起こすケースがあります。他にも関節リウマチでは関節以外の症状が伴うことも多く、微熱やだるさ・食欲不振・貧血・口の渇き・血管炎・目や内臓の病変などを起こすこともあります。